ワクWACCする資本政策

こんにちは、経営コンサルタントの入野です。

本日は「資本政策」について解説します。

【事業計画書の目次】

  1. エグゼクティブサマリー
  2. 事業立ち上げの経緯
  3. マネジメントチーム
  4. 会社概要
  5. 経営理念・事業理念
  6. 商品・サービスの概要
  7. 儲けの仕組み
  8. 市場および競合の分析
  9. マーケティング/営業
  10. 立ち上げ戦術
  11. 成長戦略
  12. オペレーション計画
  13. 人事戦略
  14. 財務計画
  15. 資金調達
  16. 出口戦略
  17. リスク管理
  18. プロジェクト管理


 
 
 

初級者によくある間違い

■ ストックオプションでモチベーションが上がると思っている

役員や従業員にストックオプションを与えることによって
会社への経営参画意識や貢献意欲を高めようとするケースがありますが、
あまり効果はありません。

理由は

  • 最近は個人的に株式投資の経験があるスタッフも多いので、
    ベンチャーの株価は期待するほど大きくは上がらず、
    大部分のストックオプションは「紙屑に近い給料のオマケ」という実態がバレているから。
  • IPO前よりもIPO後の方が本当に会社が成長しなければいけないフェーズです。
    ところが、IPO後にストックオプションを行使すると、
    「なんだか一区切り」したような脱力感が強く出たり、
    せっかく中心選手になったスタッフが財務的なexitとともに退職してしまうから。

本来はストックオプションに頼らず、
給料をアップできるような儲けの仕組みを作って、
感謝や表彰、仕事のやりがいなどの非金銭的な報酬に重きを置くべきなのです。

 
 
 

中級者でもよくある間違い

■ カネを出してもらった後にコミュニケーションしない

投資をしてもらった後に、株主にたいしてパタリと連絡しなくなる起業家がいます。

起業家側の言い分としては
「いちいち煩わせたくない」
「一度投資してもらった限りは、ドーンと任せてほしい」
など色々ありますが、あまり良くはありません。

理由は、ベンチャー企業には必ず上手くいかない局面があり、
そのようなダウン局面に投資家との諍いがあるとさらにウマくいかないからです。

経営者がツラくて弱っている時にさらに叩いて、
せっかくのタマゴをつぶしてしまう「困った投資家」のタイプも確かにいます。

しかし、投資家側だけに問題があるわけではなく、
起業家側にも問題がある場合があります。

起業家側が普段から積極的にコミュニケーションをする努力をしていないのです。

事業が順調に行っている時は積極的に報告する起業家は多いのですが、
事業がウマく行っていない時にも積極的に報告する起業家は少ないのです。

投資家にとってみれば、普段は何の連絡もないところに、いきなり、
「実はウマくいってません。預かったお金が消えてなくなりそうです」と
土壇場で告白されても、そりゃ、叩きにいきますよね。

バッドニュースも含めてこまめに普段から報告・相談をしておけば、
いざ本当に事業がウマく行っていない時に、ネガティブな小競り合いで時間を浪費せず、前向きに起業家と投資家が一緒に解決策を考えることができるのです。

 
 
 

上級者の使うテクニック

■ WACCを意識したデットエクイティバランス

エクイティファイナンスばかりで必要な資金をまかなおうとするケースがありますが、
あまり良くはありません。

エクイティは「借金と違って返さなくていいお金」ですが、
意外と金利(≒期待収益率)は高いのです。

例えば、VCが期待している期待収益率は
仮に無担保貸出利率に換算すると、50-60%。
ヤミ金なみの高さです。

一方で、
デットは「借金として返さなくてはいけないお金」ですが、
支払利息を損金処理できる節税効果があるので、
意外と割安
な場合があります。

例えば、中小企業向けビジネスローンが金利10%とすると、
実行税率が30%ならば、実際の負債コストは金利7%。

日本公庫の新規創業融資(金利4-5%)という非常に安いデッドファイナンスもあります。

したがって、多くの場合、
エクイティで調達するだけでなく、
ある程度借金をしたほうが、
企業全体の負担する金利(≒資本コスト)は低く
なります。

上級者は
企業が全体として負担する金利
= 資本コスト(WACC)
= (負債コスト + 株式コスト)の加重平均


 負債コスト = (有利子負債/有利子負債+時価総額) × 利子率 × (1-実効税率)
 株式コスト = (時価総額/有利子負債+時価総額) × 株主の期待収益率

という式を意識して、
企業全体の資本コスト(≒WACC)を小さくするように、
エクイティとデットのバランスを意識しています。

極限までWACCを低くするならば、デット70%、エクイティ30%が目安ですが、
借金を返せないと不渡りなど会社の生死に関わるので、
安全係数をふくめてエクイティ40%が目安です。

 
 
 

編集後記: ソーシャルレンディング/ファイナンス

最近、ある雑誌にソーシャルレンディングの記事を書きました。

出資型の小口ファンドも含めて、
広い定義のソーシャルファイナンスが流行ってきているように感じます。

金額という意味では、資金調達手段としてはまだまだ不十分ですが、
新たな金融の仕組みの兆しとして可能性を感じています。

本日は以上です。

代表取締役 経営コンサルタント 入野
  • 日本最大のビジネスプランコンテストで1位2位のワンツーフィニッシュ
  • Asian Entrepreneurship Awardで1位2位のワンツーフィニッシュ
  • Google検索「事業計画書」No.1
  • 日本最大のクラウドビジネスアワードの審査員
  • 年間300人以上の経営者に会い、100本以上の事業計画をレビュー
  • 東京大学法学部を休学し
    University of British Columbia (カナダ)へ転入・卒業
  • 世界第2位のソフトウェア会社OracleでITコンサルタント、
    外資系コンサルティング会社にて経営コンサルタントを経て
    Linzy Consulting株式会社を設立
  • IT業界から航空宇宙業界まで
    数社のベンチャー企業、大手企業の取締役・顧問をつとめる
  • 執筆:日本実業出版、日経BPなど
  • 講演:政府系金融機関、証券会社、一部上場企業、コンソーシアムなど
  • 10年ぶりにプログラミングを再開しハッカソン優勝
  • その他:千に三つの世界での失敗経験は数知れず・・・

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お知らせ: MVPメンターを受賞

第16回MIT-VFJビジネスプランコンテスト&クリニック(BPCC16)にてメンターを務めさせていただきました。最優秀メンターに選ばれました。クリスタルの盾をいただき、記念撮影をパチリと。

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