ワクWACCする資本政策

ワクWACCする資本政策

こんにちは、経営コンサルタントの入野です。

本日は「資本政策」について解説します。

【事業計画書の目次】
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初級者によくある間違い
■ ストックオプションでモチベーションが上がると思っている

役員や従業員にストックオプションを与えることによって
会社への経営参画意識や貢献意欲を高めようとするケースがありますが、
あまり効果はありません。

理由は

  • 最近は個人的に株式投資の経験があるスタッフも多いので、
    ベンチャーの株価は期待するほど大きくは上がらず、
    大部分のストックオプションは「紙屑に近い給料のオマケ」という実態がバレているから。
  • IPO前よりもIPO後の方が本当に会社が成長しなければいけないフェーズです。
    ところが、IPO後にストックオプションを行使すると、
    「なんだか一区切り」したような脱力感が強く出たり、
    せっかく中心選手になったスタッフが財務的なexitとともに退職してしまうから。

本来はストックオプションに頼らず、
給料をアップできるような儲けの仕組みを作って、
感謝や表彰、仕事のやりがいなどの非金銭的な報酬に重きを置くべきなのです。

中級者でもよくある間違い
■ カネを出してもらった後にコミュニケーションしない

投資をしてもらった後に、株主にたいしてパタリと連絡しなくなる起業家がいます。

起業家側の言い分としては
「いちいち煩わせたくない」
「一度投資してもらった限りは、ドーンと任せてほしい」
など色々ありますが、あまり良くはありません。

理由は、ベンチャー企業には必ず上手くいかない局面があり、
そのようなダウン局面に投資家との諍いがあるとさらにウマくいかないからです。

経営者がツラくて弱っている時にさらに叩いて、
せっかくのタマゴをつぶしてしまう「困った投資家」のタイプも確かにいます。

しかし、投資家側だけに問題があるわけではなく、
起業家側にも問題がある場合があります。

起業家側が普段から積極的にコミュニケーションをする努力をしていないのです。

事業が順調に行っている時は積極的に報告する起業家は多いのですが、
事業がウマく行っていない時にも積極的に報告する起業家は少ないのです。

投資家にとってみれば、普段は何の連絡もないところに、いきなり、
「実はウマくいってません。預かったお金が消えてなくなりそうです」と
土壇場で告白されても、そりゃ、叩きにいきますよね。

バッドニュースも含めてこまめに普段から報告・相談をしておけば、
いざ本当に事業がウマく行っていない時に、ネガティブな小競り合いで時間を浪費せず、前向きに起業家と投資家が一緒に解決策を考えることができるのです。

上級者の使うテクニック
■ WACCを意識したデットエクイティバランス

エクイティファイナンスばかりで必要な資金をまかなおうとするケースがありますが、
あまり良くはありません。

エクイティは「借金と違って返さなくていいお金」ですが、
意外と金利(≒期待収益率)は高いのです。

例えば、VCが期待している期待収益率は
仮に無担保貸出利率に換算すると、50-60%。
ヤミ金なみの高さです。

一方で、
デットは「借金として返さなくてはいけないお金」ですが、
支払利息を損金処理できる節税効果があるので、
意外と割安
な場合があります。

例えば、中小企業向けビジネスローンが金利10%とすると、
実行税率が30%ならば、実際の負債コストは金利7%。

日本公庫の新規創業融資(金利4-5%)という非常に安いデッドファイナンスもあります。

したがって、多くの場合、
エクイティで調達するだけでなく、
ある程度借金をしたほうが、
企業全体の負担する金利(≒資本コスト)は低く
なります。

上級者は
企業が全体として負担する金利
= 資本コスト(WACC)
= (負債コスト + 株式コスト)の加重平均


 負債コスト = (有利子負債/有利子負債+時価総額) × 利子率 × (1-実効税率)
 株式コスト = (時価総額/有利子負債+時価総額) × 株主の期待収益率

という式を意識して、
企業全体の資本コスト(≒WACC)を小さくするように、
エクイティとデットのバランスを意識しています。

極限までWACCを低くするならば、デット70%、エクイティ30%が目安ですが、
借金を返せないと不渡りなど会社の生死に関わるので、
安全係数をふくめてエクイティ40%が目安です。

本日は以上です。

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