宇宙旅行ビジネス: 「地に足付いたブッ飛んだイノベーションを起こすには」
こんにちは、経営コンサルタントの入野です。
本日は宇宙旅行ビジネスについて解説します。
セミナーのお知らせ
『事業計画作成のテクニック』
日本政策金融公庫にて講演します。
↓
日時:2010年7月9日(金)14:00-15:30
会場:日本政策金融公庫 東京中央支店
【終了いたしました】
100名近い方のご来場ありがとうございました。
宇宙旅行には大きく2種類があります。
ひとつはオービタル(軌道飛行)と呼ばれる形態。
上空400kmの軌道に乗り、
NASAやロシアの宇宙飛行士と一緒に
国際宇宙ステーションに1週間ほど滞在する旅行です。
費用は20億円。
JTBからも申し込み可能で、
すでに6人の民間人が経験済みで、リピーターもでています。
もう一つの宇宙旅行のタイプは、サブオービタル(弾道飛行)。
飛行機型の宇宙船で
高度100kmへ急上昇し、
5分間の無重力体験をして帰還するという旅行です。
90分間のジェットコースターのような弾丸ツアーですが、
高度100km以上が宇宙空間という定義なので、
「宇宙に行ったことあるよ」と言えるし、
頭上には真っ暗な黒い宇宙空間と
丸みを帯びた青い地球を眺めることもできます。
費用は2000万円。
バージンギャラクティック社などがすでに売り出し、
就航はまだ2010年後半の予定ですが、
申込者はすでに600人います。
宇宙旅行って、
NASAやJAXAの宇宙飛行士でなければ行けない時代は終わり、
民間事業としてすでに始まっちゃっているのです。
民間による宇宙開発がブレイクするキッカケになったのが、
アンサリ・エックスプライズという賞金レースでした。
高度100キロメートル以上に到達するサブオービタル飛行を
2週間で2回成功した最初のチームに
賞金10億円を与えるという賞金レースです。
リンドバーグの大西洋横断も賞金レースでしたが、
その宇宙版といったところです。
海中深くに宇宙船を沈めて、浮力の勢いで空に飛ばす(笑)
など、
様々なアイディアと技術を持ったチームが20社以上世界中から参戦しました。
当初は、誰も賞をとれないだろうと予想されていましたが、
30人足らずのベンチャー企業 スケールドコンポジット社が
マイクロソフト創業者ポールアレンから30億円の資金を受け、
2004年10月に初の民間宇宙飛行を成功させてしまったのです。
どうやったかというと、母船と子船の2段方式。
地上からは運送用航空機のような母船で飛び上がり、
上空15kmで子船を切り離して空中発射し、
上空100kmまでジェットエンジンでマッハ3以上で急上昇し、
降下する時には、フェザーという尾翼を65度に立てることによって
大気圏再突入時の摩擦熱の発生を防ぐ
という画期的なものでした。
伝説的な航空機デザイナー バート・ルータンに指揮されたプロジェクトは
・ エッジのきいたアイディア
・ ホントに実行してしまう技術力とリスク管理能力のバランス
・ 低予算でも創意工夫するプロジェクト管理能力
・ 命をかけて歴史を創ろうとする情熱
など
いろいろな意味ですざまじいものでした。
(ディスカバリーチャネルのドキュメンタリーが残っています)
受賞の直後、
リチャード・ブランソンのバージンギャラクティック社が
スケールドコンポジット社から技術ライセンスを受けて、
宇宙旅行を発売し現在に至ります。
リチャード・ブランソンは
2005年あたりに推定100億円をバージンギャラクティック社に投資しましたが、
2009年7月にアブダビ投資庁から280億円のファイナルラウンドを受け、
その時点でポストマネーで900億円の時価総額がついていますので、
金額もさることながら、IRR上も悪くない数字だと思います。
ポール・アレンも、
10億円の賞金レースに30億円を投資したのは
「大人の遊び」と思われていましたが、
30億円はすでに回収できたのではないかというのが
業界の噂です。
ペイパルの創業者イーロン・ムスクも
スペースエックス社という宇宙ビジネス会社に多額の投資と情熱を注ぎ、
ロケット打ち上げ技術で世界トップを走り、
各国政府からの受注を獲得してキャッシュフローがプラスの成長企業に育て上げています。
宇宙ビジネスは
地上のビジネスを制した覇者たちが繰り広げる天上の闘いとなっているのです。
ビジネスモデルとして、個人的に注目しているのは、
エックスプライズ財団のお金の集め方です。
イノベーションを起こそうという仕組みは
VCや産業革新機構(官製ファンド)、技術開発への補助金・助成金
などいろいろあります。
ファンドや補助金・助成金は、極端にいえば、
失敗者にも貴重な資金を無駄に使ってしまう仕組みです。
ベンチャーの成功確率はIPO基準でセンミツ(1000分の3)であることは
統計的にも証明されています。
どんなに優秀なファンドでも
投資の成功率はIPO基準でも45%ほど。
半分以上は無駄な案件に無駄な金が使われているということです。
賞金レースという仕組みが面白いのは
成功者にしか賞金を与えないので、無駄に使われるお金は0%であることです。
無駄なお金を使わなくていい分、
賞金10億円という挑戦者が出やすい金額に
ニンジンを大きくしてあげることができるのもメリットです。
ファンドや補助金・助成金の方式で
アンサリ・エックスプライズと同様のイノベーションを生もうとしていたら、
10億円という金額では済まなかったはずです。
エックスプライズ財団が使ったもう一つの面白い仕組みはリバース保険。
アンサリ・エックスプライズは
アンサリさんという女性大富豪から資金を提供されましたが、
アンサリさんからの資金だけでは10億円に届きませんでした。
でも、
エックスプライズ財団の会長トム・ディアマンテスはあきらめませんでした。
保険会社と交渉して、「リバース保険」を組成したのです。
エックスプライズ財団は保険料の掛け金を払い、
まさかの時( ≒ 受賞者が出た時)には保険会社が保険金を支払う
というスキームの保険です。
普通の保険は
「まさかの時」 ≒ 望ましくないが起こった時ですが、
エックスプライズの保険は
「まさかの時」 ≒ 望ましいことが起こった時。
保険会社は航空宇宙の専門家に依頼して
本当に宇宙旅行を実現する民間企業が出現する確率を計算してもらいましたが、
当時は誰も成功を信じていないので非常に低い成功確率が計算され、
非常に少額の掛け金しかエックスプライズ財団は払わずに済んだのです。
ベンチャーの資金調達は
成功すると信じている人からお金を出してもらうのが普通ですが、
リバース保険の仕組みは
成功すると信じていない人からお金を出してもらうという逆転の発想です。
でも、
保険会社が大損をして、成功者からザマーミロと言われる仕組みかというと、
アンサリ・エックスプライズでは相当なパブリシティの効果があったので、
それをうまく使えば、保険会社もまんざらでもない結果になります。
ただし、
There’s no bad publicity という割り切りと
悪役を演じ切るしたたかさが保険会社側になければいけませんが。。。
本日は、耳寄りな情報のお知らせ(営業)です。(^^ゞ
入野はPDエアロスペース社という
日本で唯一のサブオービタル宇宙船の開発企業を支援しています。
TBS番組「夢の扉」でご存じの方も多いと思いますが、
ビジネスプランコンテストで日本2位、
シリコンバレーのビジネスプランコンテストで4位になった企業です。
「2014年のクリスマスまでにサブオービタル宇宙旅行を実現させる」
という果てなき夢を貫き通す姿勢を評価いただき、
旅行会社HISの澤田会長から資金や業務サポートを受けております。
宇宙空間へのサブオービタル旅行はまだですが、
PDエアロスペース社の企画協力、HIS主催で
3月末に宇宙関連ツアーが催行されることになりました。
NASAジェット推進研究所、グリフィス天文台などの見学や、
1日自由行動でロス観光も楽しめる構成になっています。
親子でも参加できるツアーになっております。
申込等は、HISの窓口で受け付けています。
航空宇宙産業で活躍する人を「宇宙人」と愛情込めて勝手に呼んでいます。
昨年、入野はNASAのエイムズ研究所での宇宙関連のカンファレンスと
ビジネスプランプレゼンに行ってきました。
500人ぐらいのPh.Dを持った超優秀な人たちが
「火星に移住する最初の人類のコロニーはどんな男女比がいいか?」(笑)
など、ぶっとんだトピックを真顔でディスカッションしているような、
異様なカンファレンスでした。
でも、個別に宇宙人と話してみて感じたのは
びっくりするほど、考え方が地に足がついた人たちなのです。
少年のような目で遠大な夢を語るのですが、
根っこは超優秀な科学者なので、
ロジカルな上、技術的な制約もしっかりと意識しているのです。
起業家を中心に、いろいろな業界の色々な人間に会っているはずですが、
「構想力と実現力のバランスって何?」と問い直すような
なんだか頭がグラグラするような体験でした。
個人的に、「宇宙関連施設を巡るロスツアー5日間」をおススメなのは、
現地で活躍している日本人研究者五月女さんと交流できる点です。
日本のお堅い重工系企業で航空宇宙エンジニアとして活躍し
アメリカの大学でPh.Dを取得し、
アメリカの航空宇宙ベンチャーと広い人脈を持ち、
最先端の技術や各会社の動向を実際にアメリカ中を飛び回って見ている、
数少ない日本人宇宙人です。
いつもお世話になっていますが、
今回の宇宙関連ツアーの企画で骨を折っていただき、
ツアー3日目には宇宙関連施設のガイドや夕食懇談会までやっていただきます。
地上のビジネスをしていれば、絶対に会えないような刺激的な人です。
申し込み締切は2/5(金)までだそうなので、
・ 宇宙に興味のある方
・ 米国の大学へ進学を希望している方
・ 国内/国外の航空宇宙系の企業へ就職を考えている方
・ 頭をグラグラさせたい方
は貴重な機会なのでお急ぎを。
私も参加したいと思っています。
興味のありそうな人にも転送していただいて結構です。
セミナーのお知らせ
『事業計画作成のテクニック』
日本政策金融公庫にて講演します。
↓
日時:2010年7月9日(金)14:00-15:30
会場:日本政策金融公庫 東京中央支店
【終了いたしました】
100名近い方のご来場ありがとうございました。
| エグゼクティブサマリー プレゼンテーション |
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| マネジメントチーム 経営理念 |
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| 市場分析 競合分析 ビジネスモデル 営業マーケティング |
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| 人事戦略 成長戦略 |
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| 資金調達 資本政策 |
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| 立ち上げ戦略 | ||
| プロジェクト管理 | ||
| 事業計画書テンプレート 作成プロセス |
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- 日本最大のビジネスプランコンテストで1位2位のワンツーフィニッシュ
- 国認定「スーパークリエーター」間のビジネスプランコンテストで2位
- シリコンバレーのビジネスプランコンテストで4位
- Google検索「事業計画書」No.1
- 年間300人以上の経営者に会い、100本以上の事業計画をレビュー
- 東京大学法学部を休学し
University of British Columbia (カナダ)へ転入・卒業 - 世界第2位のソフトウェア会社OracleでITコンサルタント、
外資系コンサルティング会社Headstrongにて経営コンサルタントを経て
Linzy Consulting株式会社 を設立 - IT業界から宇宙ビジネスまで
数社のベンチャー企業、大手企業の取締役・顧問をつとめる - ビジネスメディア 「Insight Now」 にビジョナリーに選ばれ
起業家サイト「Dream Gate」でも高い顧客満足度・相談件数を
誇るトップアドバイザー - 「事業計画」をテーマに
日本実業出版、日経BPなどに記事を寄稿中 - 講演実績: 政府系金融機関、証券会社、コンソーシアムなど
- その他、千に三つの世界での失敗経験は数知れず。。。
- 記事一覧⇒「リアルな事業計画書の書き方」
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数社のベンチャーキャピタルと事業計画書のテンプレートを情報交換しましたが、結局は非常にシンプルなフォーマットをクライアントさんの資金調達の際や自社の事業計画作成の際には使っています。
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