フェルミ推定の実務

フェルミ推定の実務

こんにちは、経営コンサルタントの入野です。

本日はフェルミ推定について解説します。

フェルミ推定とは、
「東京にいるネズミの数はいくらか?」というように、
一見とらえどころのない数字を
論理的に概算する手法です。

コンサル会社の面接試験で使われることもありますが、
実務でも市場規模や売上高の計算などで使います。

事業計画書での位置づけ

  1. エグゼクティブサマリー
  2. 事業立ち上げの経緯
  3. マネジメントチーム
  4. 会社概要
  5. 経営理念・事業理念
  6. 商品・サービスの概要
  7. 儲けの仕組み
  8. 市場および競合の分析
  9. マーケティング/営業
  10. 立ち上げ戦術
  11. 成長戦略
  12. オペレーション計画
  13. 人事戦略
  14. 財務計画
  15. 資金調達
  16. 出口戦略
  17. リスク管理
  18. プロジェクト管理

初級者によくある間違い
■ 一つの視点だけで満足する

よくあるのは、
一つの視点だけでロジックがきれいに通ったら
それが満足しまう間違いです。

例えば、
セグメント人口XX万人
x 購買率 XX%
x 単価XX万
= 市場規模1000億円です!
で終わってしまうケース。

因数分解のロジックとしては
きれいに分析はできています。

でも、
他の視点で因数分解すると
1000億円ではなく、
100億円と全く違った答えが出ることも
よくあります。

コンサル会社の面接では
論理的に仮説を立てられる地頭を試すだけですが、
実務では、仮説を検証しないといけないので、
複数の視点で因数分解して
矛盾に気づくことが必須です。

中級者でもよくある間違い
■ Data availabilityで ロジックが歪む

例えば、
「検索しても、
純資産3億円以上の顧客のデータは見つかりませんでした」
というケース。

しかし、
ネットにデータが転がっていないからといって、
簡単に論理の矛盾や飛躍を引き起こすのはダメです。

新規事業では、前例となるデータがない場合がほとんどで、
手間暇をかけても調べる価値のある課題を洗い出すのが
フェルミ推定タスクの一つの目的なので、
データが手に入りにくいからといって
安易にロジックを歪めないことも重要です。

データがなければ自社で調べるという努力をするべき時もあります。

上級者の使うテクニック
■ ミクロの視点で、マクロな妄想を見直す

「市場規模」という言葉に引っ張られると、
どうしても視点がマクロになりがちです。

上級者はミクロのレベルに立ち帰って
固有名詞レベルでどんな人が
なぜ買ってくれるのかを
徹底的に調べます。

ミクロな顧客の視点で見ると、
新たな分析の切り口が見つかったり、
既存のマクロ分析の大雑把さに気づくからです。

「市場」が買ってくれるのではなく、
「顧客」が買ってくれることをよく理解しているので、
マクロな視点とミクロな視点を常に往復して考えるのです。

本日は以上です。

入野

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