マネジメントチームの作り方: 「ぶっちゃけ、名前借りてるんです」
こんにちは、経営コンサルタントの入野です。
年間100本以上の事業計画のレビューや、ビジネスプランコンテストの審査員などをしています。
新規事業の立ち上げにおけるマネジメントチームについて解説します。
事業計画書におけるマネジメントチームの位置づけ
- エグゼクティブサマリー
- 事業立ち上げの経緯
- マネジメントチーム
- 会社概要
- 経営理念・事業理念
- 商品・サービスの概要
- 儲けの仕組み
- 市場および競合の分析
- マーケティングと販売戦略
- オペレーション計画
- 人事戦略
- 立ち上げ戦術
- 成長戦略
- 出口戦略
- 財務計画: 売上予測、コスト計画、資金繰り予測、資本政策
- リスク管理
- プロジェクト管理
事業計画書の「マネジメントチーム」のセクション。
いかに強いマネジメントチームを作り、投資家にアピールできるかが重要なセクションです。
ベンチャーキャピタルは、事業計画自体よりも経営者の資質を重点的に審査しています。
特に、アーリーステージのベンチャー企業は、計画自体の信憑性は検証しにくいので、人を見るしかないのです。
マネジメントチームの作り方について要点をまとめておきます。
個人事業は別として、IPOを目指すほどの事業の場合、どんなスーパーマンでも経営の仕事のすべてを一人でこなすことはできません。ひとりで経営できると想定してしまうと、逆に経営者としての資質や経験を疑われます。自分より優秀な人を巻き込めるかどうかが優れた経営者の条件です。
例えば、
——————————————–
○○年○○株式会社に入社
○○年営業部長
○○年○○会社に入社
○○年取締役就任
・・・
——————————————–
など、会社名と役職を羅列しているだけの例。
略歴としては許容できるレベルですが、
事業計画書の「マネジメントチーム」のセクションでは、
役職とは関係なしに、
具体的にどんな仕事でどんなエピソード(特に苦労話)があったかを表現するべきです。
ベンチャー企業の場合は「部長ができます」よりも「具体的にどんなスキルと経験があるか」が重要です。
例えば、
——————————————–
A氏 代表取締役(CEO)
B氏 取締役(COO)
C氏 取締役
D氏 取締役
——————————————–
のような例。
よりベターなのはこんな感じです。
| A氏 | B氏 | C氏 | D氏 | |
| 大方針を最終決断する | 専 | |||
| 役員間のいざこざを防止・解決する | 副 | 主 | ||
| この人がいるからスタッフがついてくる | 主 | |||
| 営業の戦略と実行を引っ張る | 副 | 主 | ||
| 提携先を連れてくる | 副 | 主 | ||
| マーケティングをしかける | 主 | |||
| 研究開発を引っ張る | ||||
| ITの企画・開発・運用を管理する | ||||
| 経理処理を管理する | 主 | |||
| 資金繰りを管理する | 主 | 副 | ||
| 銀行と交渉する | 主 | |||
| 個人補償を入れる | 主 | 副 | ||
| VCからの資金調達をドライブする | 副 | 主 | ||
| 資本政策をドライブする | 副 | 主 | ||
| 生産を統括する |
ポイントは
- 役職よりも役割として具体的に何をするか
- 主で責任をとる人間を明確に
- 一人が欠けても会社がまわるように
- 未採用の足りない役割をゴマかさない(すぐバレるので)
業界の土地勘(ノウハウ、人脈、ブランド)があるかないかは新規事業の成否に深く関係します。
統計的には土地勘のない新事業はかなりの高い確率で失敗します。
IT・会計などのポータブルスキルとは違い、業界の土地勘は借りることが難しかったり、時間がかかる場合が多いのです。
本当に優秀な人材はカネでは動きません。情熱などのカネ以外のもので動きます。
また、ベンチャーはよい人材が集まって初めて資金が集まります。逆ではないのです。
いくら努力して結果を出しても、出世しにくそうな経営陣の陣容はNGです。
優秀な人材が集まってこないので。
たとえば、
- 同族だけだけが取締役
- 幼なじみだけが取締役
- ○○社OBだけが取締役
「経営がやりたい」と「この事業がやりたい」とは大違い。
例えば、ポストコンサルばかりの会社は要注意。
泥臭いたたき上げタイプの人がいないケース。
失敗や挫折、貧困の連続が当たり前のベンチャー企業としてはバランスが悪いのです。
アドバイザリーボードを含めた経営陣の世代バランスが悪いケース。
「ガキはダメだ」や「ジジイはダメだ」と自らの世代にプライドを持ちすぎている場合です。
各世代どうしでで得意なことと不得意なことを補えることが重要です。
ヤング世代があまり得意でないこと:
- 取引先の裏のドアを開ける長年の人脈
- トップダウンのセールスをしかける貫目
シニア世代があまり得意でないこと:
- 1日30時間働くタフさ
- 周りの人々に応援してもらう可愛げ
- ITのハンズオン開発
- ケータイ・ネットビジネス・F1世代の動向
IPOを経験したベンチャー企業の出身者も最近では増えましたが、
たとえ、創業メンバーであっても役に立たなかった人材は必ずいます。
「前職の企業がIPOしました」と「中心的に活躍すること」は大違い。
取締役として参画するには不適切な人材も多いので注意が必要です。
社長さんに「この取締役の人はどんな人ですか?」と聞いても、適格な答えが返ってこないケース。
お互いの得意なことが分かっていない証拠とみなされます。
得意なことが分かっていないと権限委譲ができないので、会社は成長できません。
喉から手が出るほど欲しい人材がいるケース。
でも、まだ他社で活躍していたり、奥さんの了解がとれていないなど、
諸々の事情で今はベンチャーに飛び込んで経営参画できない場合も多い。
そんな場合でも、「この時期になれば経営に参画します」という念書を取り付けて、投資家に優秀な人材の獲得を文書で証明する経営者もいます。
無報酬でも他人が自然と動いてくれるぐらいの人間的魅力のある経営者が、キャッシュの不足する事業立ち上げフェーズでは重要です。
アドバイザリーボードや取締役として、有名起業家や著名人を並べるのは「成功のにおい」をさせるには非常に有効です。
しかし、忙しい彼らが具体的なタスクを何かやってくれる機会は少ないのはベンチャーキャピタルも分かっています。
その現実を経営陣自身が分かっているかどうかが大切です。
「このビッグネームが○○事業をドライブしてくれます!」とありえないことを言うよりは、「名前だけを借りてるんですよ!」と明るくぶっちゃける正直さとリアル感を持つことが大切です。
ビッグネームから名前を借りられたこと自体は評価できるのですから。
| エグゼクティブサマリー プレゼンテーション |
||
|---|---|---|
| マネジメントチーム 経営理念 |
||
| 市場分析 競合分析 ビジネスモデル 営業マーケティング |
||
| 人事戦略 成長戦略 |
||
| 資金調達 資本政策 |
||
| 立ち上げ戦略 | ||
| プロジェクト管理 | ||
| 事業計画書テンプレート 作成プロセス |
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- 日本最大のビジネスプランコンテストで1位2位のワンツーフィニッシュ
- 国認定「スーパークリエーター」間のビジネスプランコンテストで2位
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- Google検索「事業計画書」No.1
- 年間300人以上の経営者に会い、100本以上の事業計画をレビュー
- 東京大学法学部を休学し
University of British Columbia (カナダ)へ転入・卒業 - 世界第2位のソフトウェア会社OracleでITコンサルタント、
外資系コンサルティング会社Headstrongにて経営コンサルタントを経て
Linzy Consulting株式会社 を設立 - IT業界から宇宙ビジネスまで
数社のベンチャー企業、大手企業の取締役・顧問をつとめる - ビジネスメディア 「Insight Now」 にビジョナリーに選ばれ
起業家サイト「Dream Gate」でも高い顧客満足度・相談件数を
誇るトップアドバイザー - 「事業計画」をテーマに
日本実業出版、日経BPなどに記事を寄稿中 - 講演実績: 政府系金融機関、証券会社、コンソーシアムなど
- その他、千に三つの世界での失敗経験は数知れず。。。
- 記事一覧⇒「リアルな事業計画書の書き方」
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